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「e燃費アワード2015-2016」で低燃費が評価されたクルマは?

 

全国のユーザーデータを共有して車種別の実用燃費データやガソリン価格などの情報を公開している情報コミュニテイサイト「e燃費」が「e燃費アワード 2015-2016」を発表しました。

エコが注目される現代の車社会において、一体どのようなクルマが低燃費評価を受けたのか、まとめてみたいと思います。

5595262987_2d3ff53537_b Photo By Katelynn Lethbridge

どんなクルマが低燃費なのか

総合部門で最優秀賞を受賞したのは「スズキ アルト」でした。 e燃費として記録されたのは「24.3mk/L」という数値で、2位の「ホンダ グレイスハイブリッド」23.3km/Lに1mk/Lもの差をつけての堂々の第1位です。 第3位は「トヨタ アクアハイブリッド」22.2km/Lという結果でした。

2位と3位はクルマの走行にモーター駆動を使用するハイブリッド車でしたが、1位のアルトはスズキの最新エコ技術である「エネチャージ」が搭載されたクルマです。

「エネチャージ」という技術を少しだけ解説しますと、減速時のエネルギーを使用して高出力なオルタネーター(発電機)を回し、搭載されたリチウムイオンバッテリーに充電するシステムです。 クルマが使用するメーターやオーディオ、カーナビなどの電力をリチウムイオンバッテリーから供給する事で、今までガソリンを燃やして作っていた電力を節約する事ができます。

軽自動車ではありますが、ハイブリッドカーを抑えての第1位は名誉ある受賞だと思います。

新型車部門

最優秀賞は「ホンダ シャトルハイブリッド」で、燃費は20.8km/Lとなりました。 2位はこちらも「スズキ アルト」でグレードは「ターボRS」です。スポーツグレードでも19.3km/Lの燃費を誇ります。 3位は「マツダ CX-3」で燃費は18.3km/L。新型スカイアクティブDエンジンを搭載するコンパクトSUVカーです。

3位のCX-3はマツダが新開発したディーゼルエンジンの専用車。 「ホンダ ヴェゼルハイブリッド」などがこのクルマの競合車に当たるかと思いますが、ハイブリッドカーに匹敵する燃費を叩き出している優れたエンジンとなっています。

ガソリン車部門

ガソリン車部門で1位を受賞したのは「スズキ スイフト」で、燃費は17.6km/Lとなりました。 2位は「三菱 ミラージュ」17.4km/Lの接戦状態。 3位は外国車「フォルクスワーゲン up!」16.8km/Lという数値になりました。

こちらのカテゴリは排気量も少なくコストパフォーマンスの良いクルマとして、街中でもよく見かける車種ではないかと思います。 その中でもトップを取ったのはまたしてもスズキという結果になったようです。 スイフトは1.2L デュアルジェットエンジンを搭載した車種ですが、2位3位の1.0Lエンジンを抑えての堂々の1位となりました。

軽自動車部門

軽自動車部門は総合部門で最優秀賞に輝いた「スズキ アルト」が1位で24.3km/L、2位は「ダイハツ ミライース」21.8km/L、3位はこれまたスズキの「ワゴンR ハイブリッド」20.1km/Lという結果でした。

流石は軽自動車に強いスズキとダイハツ、2社の勝負となったかと思います。 10位までを見てみても、10車種中5車種がスズキ車という結果になっており、近年のスズキの企業としてのパワーを感じる結果になっているのではないかと思います。 また「ホンダ Nシリーズ」が3車種とも10位内にはランクインしており、室内空間の広さで販売台数を伸ばしているNシリーズの面目は保ったのかなと思われます。

ハイブリッド車部門

1位は総合部門で2位に輝いた「ホンダ グレイスハイブリッド」23.3km/L、2位は総合部門で3位の「トヨタ アクアハイブリッド」22.2km/L、3位には「ホンダ フィットハイブリッド」がランクインし、燃費は21.8km/Lという結果でした。

流石のハイブリッド部門は軒並み20km/Lを超えてくる車種が多く、9位の「マツダ アクセラハイブリッド」19.5km/Lまでは全て20km/Lオーバーの燃費を叩き出しています。 グレイスハイブリッドはこれまで3年連続1位だったアクア ハイブリッドを2位に転落させての1位となります。

このような企業間の競争はユーザーにとってもプラスになり、これから先の先進技術の投入などでどんどん低燃費になっていくのはエコロジーの観点からもとても良い結果になるのではないかと思います。

ディーゼル車部門

1位は2年連続の「マツダ デミオ」19.4km/Lで、マツダ先進のSKYACTIVE-Dエンジンの燃費の良さが際立つ結果となりました。 2位も同じく「マツダ CX-3」18.3km/Lで、基本的にこの2車種は同じ1.5Lディーゼルターボエンジンですが、デミオの方が車重が約130kg軽い事と、CX-3のエンジンは過給圧を高めてトルクが2kg・m高められており、ここが燃費の差として現れたようです。 3位は「ボルボ V40 D4」16.2km/Lとなり、ディーゼルエンジン全盛の欧州勢が勢いのあるマツダに届かなかったという結果でした。

近年のBMWはディーゼルエンジンに力を入れており、ディーゼル部門10位までの中に4車種がランクインしています。 3位のボルボは1車種のみのランクインで、残りはマツダ クリーンディーゼルエンジンを搭載したアクセラ、アテンザ、CX-5となっています。 マツダのディーゼルに煽られるような形でドイツ輸入車がランキングに食い込んできたのが注目できる点かと思われます。

輸入車部門

1位はガソリン車部門で3位にランクインした「フォルクスワーゲン up!」16.8km/L、2位はディーゼル車部門で3位の「ボルボ V40 D4」16.2km/L、3位は「フィアット 500」16.2km/Lという結果が出ました。

ここでの数値を見る限り、日本車のコンパクト、あるいはハイブリッドカーの燃費の数値が優れている事が解ります。

ランキング10位までにフォルクスワーゲン車が4車種ライクインしており、昨年の排ガス規制偽装問題が記憶に新しいかとは思いますが、誠意のある対応とこのような素晴らしいクルマを作り続ける事で汚名を返上してくれれば良いなと思います。

燃費達成率部門

最後はカタログ燃費と実燃費がどれだけ達成されているかという数値になります。 簡単にいうと「カタログ燃費が10km/L」「実燃費が8km/L」の場合「達成率80%」という事になります。

1位は「シトロエン DS4」で達成率はJC08モード 11.3km/Lの実燃費12km/Lで達成率106.2%でした。 2位は「日産 ジューク」の13.0km/L/12.3km/Lで達成率94.6%、3位は「トヨタ ランドクルーザープラド ディーゼル」で、11.8km/L/11.0km/Lで達成率93.2%という結果になりました。

シトロエン DS4は2年連続の受賞で唯一の100%超えを達成しております。 こちらのランキングには上記のランキングで素晴らしい燃費を達成した車種は全く入ってきません。

上記ランキングに入賞するような車種は、いわゆる「右足のプロ」が叩き出した数値がカタログ数値になりますので、一般ドライバーが市街地を運転した場合には実際にはとても出るような燃費にはならないというのが原因かと思われます。 とくに国土が狭く交通量の多い日本の道路事情では余計に難しいのではないでしょうか。

まとめ

「2015年e燃費ランキング」はいかがだったでしょうか。 低燃費を謳うクルマたちの実燃費データが共有でき、カタログ数値ではない実際の燃費が分かるのは、クルマの購入の際にも参考になると思います。

エコロジーが叫ばれる昨今、クルマ選びは燃費でという方も大勢いらっしゃるのではないかと思われます。 このようなランキングが発表される事でメーカーもどんどん新技術を開発・投入し、ユーザーのクルマ選びの選択肢の幅が広がっていけば良いなと思います。

是非、クルマ選びの時の参考にしてみて下さい。

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