フルモデルチェンジしたスズキ新型「GSX-R1000」「GSX-R1000R」(L7)についてまとめてみました。
スズキは、自社のフラッグシップスーパースポーツバイク「GSX-R1000」の2017年モデルを発表しました。
8年ぶりになる完全新型の「GSX-R1000」は上位グレード「GSX-R1000R」を用意し、エンジンからフレームまで全て新設計でフルモデルチェンジして登場します。
「GSX-R1000」シリーズとしては初代から数えて7代目となり、スズキ的には「L7」という型番になります。 この新型2017年モデル「GSX-R1000」「GSX-R1000R」について、まとめてみたいと思います。スズキのレース参加
MotoGPへの参戦と撤退、そして復活
スズキは2002年に始まったMotoGPクラスに参加、「GSV-R」というグランプリマシンでレースを戦っていました。
しかしワークスチームの規模を縮小しての2011年まで主だったような成績は残せず、経営環境の悪化とともに世界ロードレース選手権から撤退しました。
そのスズキが2015年に復活。「GSX-RR」というニューマシンで再び世界選手権を戦う事になりました。
先代までの「GSX-R1000」
先代の6代目「GSX-R1000」が発売されたのは2012年。そこから2015年型に至るまではマイナーチェンジのみでした。
エンジンの仕様や車体の軽量化などは行われ続けてきましたが、3種類の走行モードやスリッパークラッチなどは装備されていたものの、他メーカーでは既に殆どのスーパースポーツバイクが搭載しているトラクションコントロールなどは搭載されていませんでした。
最新のシステムを搭載した最新の「GSX-R」
今回の新型「GSX-R1000」では、スズキがレースで培った技術を惜しみなく投入した上で最新のシステムを詰め込み、満を辞して登場したモデルと言えるでしょう。
上位グレード「GSX-R1000R」
2017年(L7)モデルには、「GSX-R1000」と「GSX-R1000R」という2種類のグレードが用意されます。
上位グレードである「GSX-R1000R」には、
・トラクションコントロール
・ローンチコントロールシステム
・6軸センサー
・3種類モードセレクター「S-DMS」
・SHOWA製バランスフリーサスペンション
・クイックシフター
・LEDポジションランプ
など、先進のスーパースポーツバイクが備えている充実したシステムを備えます。
特にトラクションコントロールシステム(10段階)はスズキだけが搭載していなかったシステムで、ついに搭載されたかという気分でいっぱいです。
ウィリーを抑えるローンチコントロール、ヤマハ「YZF-R1M」にも搭載されているロール・ピッチ・ヨーを検知する6軸センサー。
前モデルから搭載されていた3モードの走行モード切り替え機能とシフトダウンも可能とするクイックシフター。
まさにサーキットを駆け抜けるための先進装備がこれでもかと搭載されたモデルになります。
ノーマル版の「GSX-R1000」には、トラクションコントロールは搭載されますが、「GSX-R1000R」の方にはコーナリング時のブレーキングも車体の傾斜角度を計測してフロントブレーキ圧を最適化するシステムが搭載されているとの事です。
全てが新設計・新開発されたエンジン
そして何よりもこの新型「GSX-R1000」に搭載されている心臓部、エンジンこそが真骨頂。
単に高出力(202馬力/13,200rpm)を叩き出すエンジンではなく、非常に優れたパワー効率を生み出す新設計エンジンです。
ヤマハEXUPのような排気圧をコントロールする排気デバイスを搭載。エンジン回転の全域で優れたパワーを出力し、MotoGPからのフィードバックでインジェクションのバルブ位置の変更も受けました。
さらにこの新設計4気筒エンジンには「Suzuki Racing VVT」という可変バルブタイミング機構も搭載されました。
エンジンの回転数に合わせてバルブの開閉タイミングをコントロールし、上記のシステムと合わせ、エンジン全域のでパワフルな出力を実現しました。
まさにスズキのレース技術が全て注ぎ込まれたスーパースポーツバイクと呼ぶにふさわしいフルモデルチェンジです。
まとめ
「The KING is Back」という文字がサーキットに浮かび、流れるような景色の中、ブルーのマシンが駆け抜けていく。
「GSX-R1000」のPVはスズキファンならずとも心が躍る映像が収録されています。
優れたパワー&トルク、先進の装備、ユーロ4にも対応したスーパースポーツのキングが帰ってきました。
今から2017年のデビューが楽しみになるバイクです。