トヨタが開発した「次世代タクシー専用車両」はミニバンスタイル。2020年を見据えた実用性重視の新設計車両。
トヨタ自動車は、2017年に発売予定とされている「次世代タクシー専用車両」を開発しました。
ミニバンスタイルの、既存のセダン型のタクシーとは一線を画すデザインで、実用性を高めた車両となっています。
今後、乗る機会が増える事も多くなりそうなこちらの新型タクシーとは一体どのような仕様なのでしょうか。
乗り降りと積載が考えられたパッケージ
まずその見た目からも分かるように、通常のタクシーに使われているセダンタイプの車両とは違い、トールタイプのいわゆるミニバンスタイルとなった新型タクシー。
プラットフォームはミニバン「シエンタ」と共通のものが使用され、背の高いルックスが目を引きます。
この背の高さの理由は、車いすを使用している方が車いすから降りる事なくそのまま乗車できるスペースの確保。
左側のドアにのみスライドドアが採用され、開口部は非常に大きくなっており、乗り降りがしやすい形状です。
このスライドドアは約5秒で開き、約6秒で閉まる自動スライドドアになっています。
またサイドのウィンドウは一番下まで下がらないようになっており、これは子供がシート上に立った場合などに転落を防止するためとの事です。
非常に広く、天井も高く取られた後席空間は、例えば日本人よりも体格の大きな外国人観光客などが乗る場合でも膝先に余裕がある作りになっています。
後部座席の乗り込みにも貢献する床面地上高も低く設定され、子供や高齢者の使用も考えられています。
荷室も広く、大型のスーツケースなども持ち込んでも余裕のある収納力があります。
タクシードライバーの使い勝手も考えられた設計
タクシードライバーが「仕事の道具」とするこの車両はドライバーの使い勝手も考慮されており、セダンタイプの車両と比べるとフロントの視界がとても開けているのが特徴。
ボンネット先端部も見やすく、車両の幅などが視認しやすい設計になっています。
そして特徴的なのがタクシーによく採用されているフェンダミラー。こちらも角度などの設計で、広い視野角を確保したミラーになっています。
もちろんトヨタの先進の安全技術も標準装備で採用され、アクアなどにも採用されているレーザーレーダー&単眼カメラで衝突の危険などを検知するシステムや危険を感知した時に自動ブレーキなどで被害を回避、軽減する「プリクラッシュセーフティシステム」などを含んだ「Toyota Safety Sense C」が搭載されています。
まとめ
以上がトヨタが新設計で開発した新型タクシーの詳細となります。
こちらの車両には1.5L直列4気筒エンジン+LPGガスの「LPGハイブリッド」システムが採用され、燃費も通常のクラウンタイプの車両と比較しても約2倍となる距離を走行する事が可能となり、エコにも貢献できる事が期待されます。
2017年に導入が開始されれば、街中で見る機会や実際に乗る機会も多くなる車両だと思います。
これから2020年の東京オリンピックを迎えるにあたり、日本国内、その中でも特に開催地となる首都・東京ではこのように様々な準備が行われています。
思えば東京都内を縦横無尽に駆け巡る、首都高速道路もオリンピック開催のために作られた道路です。
都市全体の構造を変えてしまうほどのセンセーショナルなイベントが、事故などなく無事に開催し、終わる事を期待します。