脅威の航続距離を誇るホンダの新型燃料電池車「CLARITY FUEL CELL(クラリティ フューエル セル)」とは。
米国ホンダが市場投入を開始する、排気ガスを全く出す事なく走行できる燃料電池車「CLARITY FUEL CELL(クラリティ フューエル セル)」の航続距離がアメリカの環境保護庁(EPA)に「366マイル」と認められました。
これはキロメートル表示に直すと「約589km」という驚異的な数値です。
これをさらに日本の基準であるJC08モードでのホンダの測定値は「750km」との事です。
ゼロ・エミッション車が1回の充填で走れる航続距離としては最も長い距離となります。(2016年10月現在)
他メーカーのゼロ・エミッション車として航続距離が300マイル(約483km)を超える車種は、テスラ「モデルS」やトヨタ「MIRAI」などもありますが、現在ではこのクラリティ フューエル セルが最長の記録を保持しています。
水素を燃料とする燃料電池車で、水素ステーションの設置箇所が多いアメリカ・カリフォルニア州でリース販売からのスタートとなるようです。アメリカでは水素燃料電池車の水素提供が無償で行われるのが一般的となっています。
この「クラリティ フューエル セル」の月額リース費用は500ドルという事です。
日本国内での販売について
この「クラリティ フューエル セル」は日本国内でもリース販売されています。
公式サイト上の価格では、全国メーカー希望小売価格で「7,660,000円(税込)」となっており、単純な車体価格としては決して安くはありませんが、排ガスを全く出さずに走行できるゼロ・エミッション車の導入などを企業などで行う場合は選択肢になり得るかと思います。
日本国内の水素ステーションの設置状況としては、まだまだ多いとは言えませんが、今後このような燃料電池車が普及してくるにつれ、接地箇所も加速的に増加していくのではないかと考えられます。
まとめ
数年前までは未来の技術のような気がしていた燃料電池車も一般的に販売されるようになってきました。
現状ではやはり水素ステーションの少なさがネックとなり、普及は遅れている状況です。
電気自動車やプラグインハイブリッド車を充電するステーションは全国的に2万基以上が設置され、かなりEV・PHEVへのインフラは充実してきているように思えます。
水素ステーションは設置に約4億円の費用がかかると言われ、ガソリンスタンドを設置する費用の数千万円とは比べ物にならないほど高価です。
この水素ステーション設置費用を経産省の補助金と規制緩和で約半分程度とする目標もありますが、実現にはまだ時間がかかりそうです。
やはりこのような新しい技術が普及するためには、政府や自治体などが自動車メーカーと協力していく体制が不可欠です。
今後の燃料電池車と水素ステーションの設置状況に注目していきたいと思います。