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スズキ「新型アルトワークス」(5MT FF) 試乗記

 

満を持して登場したスズキ「アルトワークス」に試乗してきました。

スズキ 新型アルトワークス 5MT 試乗記

「第44回東京モーターショー2015」スズキブースに展示され、注目を集めた「新型アルトワークス」
軽自動車最速と名高い「ワークス」の名前が、ユーザーの熱い要望に答える形で15年ぶりに復活しました。

軽自動車最強と呼ばれたアルトワークスとは

元々は1979年に軽乗用車フロンテの姉妹車として発売され、軽ボンネットバンという新しいジャンルを創成したシリーズ。
このクルマは商用車なので物品税が非課税となり、税制上とても有利なクルマでした。

1984年に2代目にフルモデルチェンジし、1987年2月に初めて「ワークス」という名前がついたスポーツグレードが発売されます。
このクルマに搭載された「3気筒4バルブDOHCインタークーラーターボエンジン」は、軽自動車の出力自主規制64psが生まれる発端となった、非常にパワーのあるツインカムターボエンジンでした。

その後3代目では軽自動車初の運転席SRSエアバッグが搭載され、4輪ABSがオプション装備になるなど、着実に進化を遂げます。
1994年の4代目にはスズキの名機「K6Aエンジン」が搭載され、最高出力64ps/6,500rpm、最大トルク10.5kgm/3,500rpmとなりました。

1998年の5代目ワークスには可変バルブ機構が搭載され、ワークスと名のつくスポーツモデルはこれが最後となりましたが、軽量なボディとパワーのあるエンジンは刺激的で、とても運転が楽しいクルマとして今現在も親しまれています。

運転がとても楽しい軽スポーツ

アルトワークスは「R06A型直列3気筒VVTターボエンジン」を搭載し、最高出力64PS/6000rpm、最大トルク10.2kg/3000rpmを発生します。
ワークス以前に発売され、こちらも発売当時に話題となった「アルトターボRS」と全く同じエンジンを搭載しておりますが、こちらは最高出力64PS/6000rpm、最大トルク10.0kg/3000rpmというスペックで、ワークスの方がトルクが0.2kgパワーアップしています。

運転席と助手席にはレカロシートが搭載され、こちらは色々なレビュー記事に書かれている通り着座位置が高くなっていました。
室内空間とエアバッグの兼ね合いという話もありますが、実際に座ってみると確かに視点は高いなと感じました。

しかし走り出すと低速からトルクが効いた加速が楽しめ、まるでバイクのような加速感を感じます。
1速~2速で引っ張ると、車体が軽量なのがすぐに感じられると思います。

エンジンの美味しい所を使ってのドライビングはかなり刺激的で、アクセルを踏みたくなる自制心がないと危ないかも…と感じられるくらいでした。

市街地での十数分程度の試乗なのでコーナリング性能などには触れられませんが、街中でもとても運転が楽しいクルマに間違いありません。

室内空間も広々で普段使いにもOK

室内空間は、乗用車のアルトがベースとなっているので、大人4人が普通に乗れて快適です。
インテリアに関しては流石に質感が高いとは言えませんが、ベースモデルが847,800円のクルマと思うと我慢するしかないという感じです。

リアシートはスペースにも余裕があり、分割式ではありませんが、荷物スペースも広く取れるクルマになっていると思います。
ホイールベースが旧型よりも長くなった事で室内空間が確保できています。

そうは言っても軽自動車、天井はそれなりの高さしかないので、身長が高い人が乗ると窮屈に感じると思います。
軽量化に一役買っているとは思いますが、ドアはなかなかペラペラな感じでした。

ステアリングはワークス専用のスポーティーなデザインになっており、シフトはショートで気持ち良く変速できます。

鋭い加速が楽しめるクルマ

新型アルトワークスはとにかく軽く、走り出せばすぐにその恩恵を感じる事ができると思います。

FF+5MTが670kgの一番車重が軽いグレードで、5速AGSでプラス20kgで690kg、4WDの5速MTは720kg、4WDの5速AGSが一番重い740kgとなっています。
この数値から見ても、一番ドライビングが楽しいと思えるグレードは「FFの5速MT」で間違い無いでしょう。

ちなみにAGSモデルには5速MTモデルに設定の無い「レーダーブレーキサポート」がついています。
5MTでもAGSでも価格が全く一緒なのに装備が違うところが若干悩ましいですが、このクルマを購入する層にはあんまり関係無い?のかもしれませんね。

まとめ

アルトターボRSの発表からわずか9ヶ月後に発売されたアルトワークスは、その名に違わぬポテンシャルを秘めたクルマになっています。
フロントバンパーに設置されたワークスのエンブレムは伊達じゃなかった事を体感出来て、短い試乗でもとても運転が楽しいクルマでした。

最近のスズキはコンパクトSUVのイグニスや新型コンパクトのバレーノなどを発表し、CMなども含めてとても意欲的に感じます。

実は今回アルトワークスに試乗に行こうと思ったのは「新型カプチーノ開発」のウワサを信じておりまして、共通のパワートレインで開発されるであろうという予想の元、ワークスのエンジン&走行性能を確かめたかったというのがきっかけでした。
営業マンの方にその話をチラッと振ってみると、どうやらもう新型カプチーノは開発に着手している…?という話も聞けましたので、ディーラーに行ってみて良かったなと思った次第です。

ホンダS660のような専用ボディの完全なスポーツカーではないのかもしれませんが、この新型アルトワークスはドライビングがとても楽しいクルマです。
興味のある方は是非一度ディーラーで試乗をしてみる事をおすすめします。

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